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数のふしぎ・糸かけ幾何学アート(1)プロローグ&型紙の作図(64本の釘編)

手仕事とシュタイナー教育周辺に関わっています、というと、「糸掛け曼荼羅やりたいです~」というリクエストをたくさんいただきます。

糸かけ曼荼羅とシュタイナー教育

私がはじめて出会ったのは、15年ほど前ですが、その時すでにボロボロに使い古された型紙のコピー。1980年代からずっと伝わってきたものだと思われます。

シュタイナー幼稚園やシュタイナーの土曜クラスの先輩方が、手書きあるいはおそらくワープロで打ったものを孫の孫の孫……コピーしたもので、メモの手書きが懐かしの「丸文字」でした。

手から手へと伝えられてきた、膨大な種類のシュタイナーアートワークのひとつ。

素数の太陽」や「九九の星」という名称で呼ばれていました。

今回から数回にかけて「糸かけ幾何学アート」について、語っていきたいと思います。

糸かけ幾何学ワークは、型紙の作図から始まります。

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ビジュアルがキャッチーなので、「飾っておくもの」と認識されがちなこのアート。

飾っておくだけではありません。

作るという作業、そこからの気づきも、とても大きいものです。

だから、誰かに作ってもらうのではなく、ぜひご自身の手で作ってもらいたいのです。

手仕事というものは、プロセスが結果を作る、「プロセスこそが結果」です。目に見える作品は副産物の一つ。

制作する前と後で変化変容した「私」も、大きな成果です。

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できるだけ源流までさかのぼることを、私は大切にしています。そうすることで、「できること」が増え、同時に「自分ではどうにもならないこと」にも出会います。

板と布と釘と糸は、譲り受けるしかない。お金を介した場合は「買う」そうでない場合は「もらう」と呼ばれる行為です。

「作ろうと思えば作れるけど、面倒だから買うだけ」と逃げていては体験できない「自分の無力さとの出会い」。人の営みによる助けの中で、人は生きるのですね。

また、型紙の作図も不可欠な要素です。

作図の過程で、「円」や「等分」の本質をとらえ、幾何の素朴で平明な美しさに触れていきます。

「作図による型紙作り」、「釘打ち」、「糸かけ」どの工程も不可欠。

体を使って学び、心から楽しみましょう。

古代ギリシア人のように、コンパスと定規だけで。

型紙を作るときに使うものは、コンパスと定規のみ。定規は直線を引く目的のみに使用し、目盛りは使いません。

角度を割る作業には、分度器は使いません。

あらかじめ与えられた数字(=目盛り)は一切使用せずに、円を64等分ないし48等分していきます。

そしてこの作業は、現行の文科省カリキュラム内では、中1の数学(幾何)の知識なので、それほど難しくはありません。

遊びのつもりでやってみましょう。

折ればカンタン…そうですね、でも、紙がクシャクシャになってしまうのが難点。

パソコンで書いちゃえば…そうですね、「速さ」を求める仕事ならそれも良いでしょう。でも学びには「速さ」の他に「深さ」が大切。糸かけワークを仕事でやる人はいませんよね。そんなに急がなくてもいいじゃないですか。

大人にとっては貴重なせっかくの「学び」ですから、時間をかけて手をかけて、深めていきましょう。

用意するもの

【素材】
▼板(厚さ12㎜~、正方形 64ピン⇒300㎜四方 48ピン以下⇒200㎜四方)(円形の場合は、直径が上記)
▼色糸 木綿または絹の細糸 10色程度 。直径×ピンの数+予備50cmくらいあればよい。
▼くぎ ピンの数。

《道具》
▼型紙作り:コピー用紙、コンパス、新聞紙(コンパスの下敷き)定規、鉛筆、消しゴム
▼くぎ打ち:マスキングテープ、キリ、金づち、
▼糸かけ:ハサミ

詳しくはこちら。 www.wonders.fun

型紙を作る(64本の釘の場合) 

ではまず、64ピンの型紙、最初の4点。

コピー用紙を板の大きさにカットして、円を書きます。

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対角線を折り線で付け、中心を見つけます。コンパスで円を書き、円と対角線の交わる点に印を付けます。これで4分割。

二等分線を使って、8点。 

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 コンパスを円周より開いて、 右上の点と左上の点に合わせて、交点を見つけます。

交点と円の中心を通る線を引くと、

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ちょうど半分の線が引けます。

水平(横方向)の線も、同じように。 

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8分割ができました。

 

16分割は、外側で作る

中が込み合ってまいりましたので、外側に、半径を小さめにして書き込みます。

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16分割できました。

最後は32分割。

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上(時計の12時)と、その右隣りの点で同じように、今度は狭めのコンパスで

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同じように。一番最初に書いた補助線が邪魔になったので、消しちゃいましょう。

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あっという間の、32分割。

いよいよ64分割。

64分割は、コンパスで描いてもいいですが、32分割の点の間隔はずいぶん狭いので、目測で点を打ってみましょう。

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気になるところは、コンパスで確認して、はい、できあがり。

「なんだ、昔遊びでやったことあるわ……」

実際型紙を作ってみた人の口から、こんな言葉がこぼれることがあります。

コンパスで遊んでた、という人は結構います。

なんで、コンパスで遊んでいたかというと……「ヒマだったから」ではないでしょうか。

でも今や、ヒマな子どもは、絶滅危惧種です。

習い事や塾などで忙しい、あるいは学童や保育園など、子どもが飽きないよう適切に配慮された場に所属しています。

さらに余った時間でさえ、テレビゲームやスマホやタブレットに遊んでもらいます。

それでも、子どもは子ども。自力で、遊べます。

遊ぶ力は生きる力。小学校中学年以上なら、お父さんやお母さんがコンパスを持って誘導すれば、幾何学遊びを楽しむでしょう。

 

ワークショップでは、知識のインプットではなく内側の感覚を堪能してほしい。

だから、書けば済む内容はどんどんこのブログに落としていきます。

次回は、48分割の型紙、そしてくぎ打ち、糸かけに進みます。

 

 

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糸かけ以外にも、いろいろご用意しています。

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