てしごと はじめのいっぽ!

日々の暮らしに手仕事を。

ママ友なんていらないよ……? 人と人とのかかわり 豊かさと難しさについて

瀬戸内寂聴さんが、孤独について、「孤独とは皮膚のようなもの」と表現しています。

人間はもともと、孤独な存在です。ただ、当たり前のように、それを意識せずに生きている。普段、「私には皮膚がある」と意識しないように。

皮膚を剥がせないのと同じように、孤独を忘れることはできても、孤独自体がなくなることはありません。

大人になると、孤独を飼いならし、それなりに一人でも過ごせるようになるでしょう。

では、子育てにおいてはどうでしょうか。

ママ友って必要なんだろうか。 無きゃ無いで、すみそうな。

でも、チコちゃんによると、ママがイライラするのは、人は群れで生きる動物(なのにひとりで子育てしている)から、だそうです。

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魔法の箱ことナントカtubeにまだ落ちてるかも……。

なんと、産後直ぐに出るオキシトシンと減少するエストロゲンによって、不安と攻撃性があおられるそうです。小さな命を守る「母」になったんだから、生き物として当然の仕様です。

なのに、現代では共同子育てができないのだから、イライラ、不安になるのは当たり前……。授乳のとき、誰かと話しているときにリラックスする。 

つまり私たちは、集団で子育てをするようにもともと設計されている、ということ。

 

そうは言っても、ママ友作りはめんどくさい……そう思っているのはあなただけじゃないよ

戦後の日本は社会構造が大きく変化し、各家庭が社会から完全に孤立しています。だから、「社会復帰」という言葉がある。「社会(world)」と「家庭(home)」は、世界観が全く違うのです。

homeの世界のつながりも、社会のやり方で分断され始めている今、当然、ともに子育てをする仲間=「ママ友」を作るのも、ひと苦労。

Googleで、ママ友 を検索すると

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若いお母さんたち、インスタでキラキラ楽しそう、ばかりではないんですね。

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でも、砂場の子供を囲み、あるいは、ただただお茶を飲み、おしゃべりし続けるのもつらい、ということもあるでしょう。話が弾むときばかりではないし、弾む相手ばかりではないですからね。

百歩譲って、21世紀のママには、ママ友不要、ということにしたとしても、

子どもには同世代のお友達が必要。

物を取り合ったり、喧嘩したり、順番を守ったり、一緒に遊んだり……そういうことは、子ども同士の中でしか、学べないのです。

だから、たった一人、夫婦だけで子育てをするのは、子どもにとっても健やかなことではなさそうです。

「おうち」担当者としての、満たされるつどい。

そんな時のために、手仕事がありました。

かつて、編み物や縫物などがあれば、おしゃべりも沈黙も、すこーし聞いてほしい愚痴もちょっとした自慢話も、不自然ではなくなります。

 実際、編み物やパッチワークなどの単純な縫い物は、女性同士が集まって「おしゃべり」しながら行なうのに都合のよい手仕事だった。

(中略)

こういった集まりは、十九世紀半ば頃には、仕事と食べ物を持ち寄って楽しむソーイング・ビーとして非常に盛んになり、女性同士の交際自体に主体がおかれるようになる。

(中略)

とはいえ、ビー、とりわけ新開地アメリカのキルティング・ビーは、おしゃべりの場だけではなく、女性同士の絆を深める貴重な場でもあったことは確かである。

引用元 「西洋女性の手仕事モラルと明治日本におけるその受容前野みち子・香川由紀子

これは、産業化により社会と家庭が分断された西洋の話で、同時期の日本ではそうではなかったとのこと。でも、「今」の日本には当てはまることだと思います。

社会と家庭が分断されたうえ、数年単位での転勤も当たり前、学歴重視・都市集中型のこの国。

大学進学や就職を機に故郷を離れた若者が、都会の荒野で出会った相手と結婚し、引き続きサバイバルに挑んでいるなう!という家庭も少なくありません。

まず、社会と家庭が分断され、さらに社会のパワーがますます強大になり、家庭の機能も社会にとって代わられつつあるのが、今の日本です。

産業化の時代のヨーロッパ、開拓期のアメリカを支えた、手仕事の集い=ビー。bee は、ミツバチ。手仕事が、自然な形で「おうち」を支える女性同士の絆づくりに貢献してきたのです。

おうちの世界に必要なのは、プロじゃなくて、おともだち。

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積み木作り

チコちゃんが言うように、人間は、一人(一組の夫婦)では子育てはできないように作られているのだとしたら、私たちは、群れをつくる必要があります。ミツバチのように。

でも賢くなりすぎた私たちは、ただ肌を寄せ合うことに気恥ずかしさがあったり、時間を無駄にしているような気がしたり、してしまうわけです。

「愚痴を誰かに聞いてもらいたいけれど、誰も聞きたくないだろうし、なんだかカッコ悪いな」とか、「ちょっと嬉しかったことを話したいけれど、わざわざいうのも自慢っぽいかな」とか、いつもいつも、先に考えてしまって、「これは胸にしまって置こう。それがおとなだよね」と、感情は後回し。

社会と違って、おうちのエピソードは捨てるとこ無し。役に立たないと思っていたものの働きがすごく大きかったり、死んだと思ったものが生きていたり。時空を超えた豊かな循環があるのがおうちの世界です。おうちの世界では、そんな無駄やアソビが、結構大切。後から思いがけないところで効いてくるんです。

おうちの世界に必要なのは、専門家じゃなくて、アマチュアのお友達、お仲間。

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染色

おうち担当の私たちの口実として、数百年にわたって機能してきた「手仕事」。その手仕事が、今失われつつあります。そんな中で、ママ友作れ、って言われても、そりゃ無理ゲーですよね。

そして、おうちの世界は、社会にどんどん浸食されています。手仕事同様に、「子育て」も、おうちから離れていくのかもしれません。

未来に「おうち」は必要ない、ですか? 

「手仕事」を口実に、集ってみませんか。

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